史上最大の下克上
サッカーの天皇杯JFA第102回全日本サッカー選手権大会、決勝戦が行われました。
もう各所で大きなニュースになっていますが、
ヴァンフォーレ甲府 1(PK5–4)1 サンフレッチェ広島
なんと、本日現在J2リーグで18位のヴァンフォーレ甲府が、J1で3位につけているサンフレッチェ広島に勝利。
「史上最大の下克上」なんて評されています。
広島がボールを支配する展開ではありましたが、必死に耐え、そんな中で先制点を奪う展開は、甲府にしたら”思う壺”だったのかもしれません。
同点に追いつかれ、延長戦に突入する展開まではゲームプランとしてなかったかも...。
でも、延長後半のPK阻止、甲府のGK河田、お見事でした。
・1点を追う展開で同点弾を決めたのが、広島の川村拓夢。
・延長後半、PKを与えてしまったのが、甲府の山本英臣。
・PK戦の4人目、広島の川村拓夢がGK河田に阻止される。
・PK戦の5人目、見事にゴールを決めて優勝を決めたのは甲府の山本英臣。
↑こんなシナリオ、誰も書けませんよね。
決めれば優勝、この展開で山本英臣に回ってくるっていうところ、ツイてますね!
ヴァンフォーレ甲府の選手・サポーター・関係者の皆様、おめでとうございます!
この優勝が持つ大きな意味と意義
ヴァンフォーレ甲府のホームタウンは、山梨県甲府市。
山梨県の県庁所在地ではありますが、その人口は19万弱と、決して大都市とは言えません。
チームとしてのヴァンフォーレ甲府も、その前身は甲府サッカークラブというクラブチーム。大きな企業のチームが母体となっているワケではありません。赤字が続いて、2000年度には経営危機問題すら発生してしまったチームでもあります。
今でも、それほど予算規模が大きなチームではありません。
ましてやJリーグのオリジナル10でもあるサンフレッチェ広島なんて、チーム予算なんて比較するまでもないことでしょう。
選手の環境として、決して恵まれているという訳でもない、そんなヴァンフォーレ甲府の天皇杯の戦いを振り返ってみますと...
試合 | 対戦相手 | 結果 |
3回戦 | 北海道コンサドーレ札幌 | 〇2-1 |
4回戦 | サガン鳥栖 | 〇3-1 |
準々決勝 | アビスパ福岡 | 〇2-1 |
準決勝 | 鹿島アントラーズ | 〇1-0 |
決勝 | サンフレッチェ広島 | 〇1(PK5-4)1 |
J1のチームを5チームも撃破しているんですよね。
これってもう、奇跡なんかじゃなくて、実力で勝ち抜いたって断言できますよね。
地方の中規模都市の、予算規模の小さなチームが、天皇杯という日本のサッカーの...否、スポーツの代表的な大会で勝ち抜いて優勝したというのは、大きな大きな意味と意義と持ちます。
大都市の・大企業を母体として持っている・大きな予算規模のチームでなくても優勝できる、という結果を出したこと、大きな意味があると思います。
J2で18位に低迷しているチームが優勝したというのは、J2リーグのレベルは決して低くはないということも証明したと言っても良いと思います。
そして! 今回のヴァンフォーレ甲府の優勝って、J2リーグ・J3リーグの全チームに、そしてそのホームタウンに関わる全ての人に、勇気を与えてくれたと思うんです。
「ひょっとしたら、おらがチームでも優勝できるかもしれない。タイトルを獲れるかもしれない。」という、夢と希望を与えてくれました。この意義って、メチャクチャ大きいと思います。
課題はありつつ、世界のKOFUへ!
天皇杯で優勝したということは、ACL(アジア・チャンピオンズ・リーグ)に出場する権利を得たことになります。
J2でのACL出場は、2006年度の東京ヴェルディ以来の2チーム目とのこと、期待しちゃいますね。
海外のチームとホーム・アウェイで対戦するACLで戦うということは、世界に向けて甲府・KOFUの名が発信されるということ、これも大きな意義がありますね。
とは言え、安心はしていられません。
J2リーグは長く険しい戦い。そのJ2リーグを戦いながら・J1昇格を目指しながら、その合間にACLを戦わないといけないのですから、来シーズンの甲府は、とにかくタフな一年になるんじゃないかと。
2チーム分構成する、ターンオーバーをできるほどの余裕もないでしょうから、優勝したことで新たな課題発生とも言えるかと。でも嬉しい悲鳴ですよね、他チームからしたら、羨ましい限りです。
来季の甲府は、J2リーグ・J3リーグのチームからすると、大いなる試金石とでもいうべき一年になるのではないでしょうか。
ACLでも活躍して、地方都市の雄として輝いてくれることを期待しています!
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